まるで美術館にいるようじゃないか。 一色さゆり『モナリザの裏側』という、技巧を凝らした短篇集に対して月並みな感想で申し訳ない。 しかし美術館のようである。
それも特別展ではなくて常設展、歴史を超えて このたび、新潮社から『日本人の精神』と題する三冊本を出版していただくこととなった。 その第一分冊が『日本人の精神I 権威と空気の構造』である。 この三冊本は、私の集大成である。 こういうと少し大げさ 小説は実に17年ぶりという著者による、新興俳句の俳人西東三鬼を主人公にした歴史小説である『三鬼』(小林恭二・著)。 「水枕ガバリと寒い海がある」「おそるべき君等の乳房夏来る」などいま見ても新鮮な句